この記事では現役バーテンダーのゆうが、初心者にオススメのスペイサイドウイスキーを解説致します。
主に、
- スペイサイドウイスキーとは?
- オススメの銘柄10選!
これらを解説して行きます!
ウイスキー初心者必見です!
それでは解説です!
スペイサイドウイスキーとは?
スペイサイドウイスキーについて
出典:El whisky escocés nunca pasa de moda (vinetur.com)
スペイサイドウイスキーとは、スコットランドの北部のハイランド内のスペイサイド地方で製造されるウイスキーの事です。
スペイサイドにはスペイ川という大きな川があります。ウイスキー作りには良質な水が欠かせないのでスペイ川に沿って沢山の蒸留所が出来ました。
その地域はウイスキー作りに最も適していると言われており、実際スペイサイドで稼働中の蒸留所は現在60以上もありその多さは世界的にもスペイサイド地方だけです。
スペイサイドウイスキーの特徴
スペイサイドウイスキーの特徴は大きく言うと、フルーティーで飲みやすいという事です。
ウイスキー初心者でも甘くフルーティーで飲みやすいと感じる方が多いので、スコッチウイスキーの入門という風によく例えられます。
しかしながらスペイサイドは非常に奥も深く、ウイスキーを飲みまわって一周してスペイサイドに戻って来るという人も少なくありません!
オススメのスペイサイドウイスキー10選!
マッカラン
ウイスキー界のロールスロイス!日本での人気ナンバーワンスコッチ
ウイスキーの”ロールスロイス”と言われるマッカラン。その由縁は味わいのリッチで優雅さにあります。
マッカランは1824年に創業し、数々のモルトファンを虜にしてきました。
元々は、スパニッシュオークのシェリー樽を使用する事で有名でしたが、近年ではバーボン樽を使用したり混ぜ合わせたりと、味わいの多様化を図っています。
世界的にもマッカランというブランドイメージは非常に強く、コレクターの中でもマッカランは価値があるとされていて、オークションで出された”マッカラン60年”はウイスキー界で最高額の1.7億円で落札されています。
日本でも人気がとてもあり、輸入量がウイスキーの中で1位です。
現在、ウイスキー需要の高まりでマッカランの値段が上がっており、7000円程します。
マッカランの味わいを知りたいかたは、12年のシェリーオークを飲んでみて下さい。
甘く優雅で優しい味わいを感じれると思います。
グレンリベット
スコッチウイスキーの偉大なる礎を築いた蒸留所”グレンリベット”
グレンリベットのボトルに刻まれた”1824”という数字はスコッチウイスキー歴史上素晴らしい数字です。
1824年以前までウイスキー作りは国に認められておらず、ウイスキーの作り手は隠れて”密造酒”としてウイスキーを製造していました。
しかしながら国の内部からウイスキーを正式に認めて欲しいという声が沢山生まれ、1824年にグレンリベット蒸留所が正式に国が認めた蒸留所一号となったのです。
これによりウイスキーは一気に日の目を浴びましたが、グレンリベットの名を勝手に名乗って様々な蒸留所がウイスキーを勝手に販売したのも事実です。
グレンリベットはそんな歴史を持つ蒸留所です。
肝心の味わいは、スモーキーなフレーバーが全くない爽やかでフルーティーな味わいです。
正にスコッチウイスキーの入門と言えるでしょう。
昨今、ウイスキーが値上がりを続けていますがグレンリベットに関しては値上がりがほとんどしておらず、かなりコスパの良いウイスキーと言えます。
グランフィディック
世界一販売量ナンバーワンのシングルモルト
創業は1887年。ウィリアムグラントが蒸留所を創業しました。
グレンフィディックはゲール語(スコットランドの古い言葉)で”鹿の谷を流れる川”を意味し、その蒸留所の文様も雄鹿が描かれています。
元々は”グランツ”というブレンデッドウイスキーのキーモルトとして作られていましたが、1963年に初めてシングルモルトとして発売しました。
そこからたちまち人気となり、今やシングルモルトでの売り上げが世界で一番となっております。
味わいは甘くフルーティーで洋ナシの様な香りを放っており、こちらもスコッチ初心者には非常に飲みやすい銘柄と言えるでしょう。
カーデュ
世界一のブレンデッド”ジョニーウォーカー”の中核を担う”キーモルト”。
カーデュの創業者”ジョン・カミング”が密造酒として作り始めたのが1811年。
そこから1824年にカーデュ蒸留所が政府に公式に蒸留所として認められました。
その後、奥さんのエリザベスが経営手腕を発揮し”ウイスキー産業の女王”と呼ばれる程になりました。
カーデュはジョニーウォーカーの中核を担うキーモルトとしても非常に有名で、約70%はジョニーウォーカーに回されます。
ハチミツの様な優しい甘みと、ナッツ類のトフィー感のある味わいが特徴で、ジョニーウォーカーのコクはこのカーデュから出ているのだと実感できる味わいです。
ストラスアイラ
ハイランド最古の蒸留所”ストラスアイラ”
ストラスアイラは創業が1786年。これはスペイサイド地方で最古の歴史で、当時は”ミルタウン””ミルトン”と名乗っていました。
ストラスアイラはゲール語で”広い谷”を意味します。
その原酒のほとんどはシーバスリーガルのキーモルトとして作られます。
シングルモルトとして出回る事は少ないですが、爽やかでフルーティーな味わいはファンがとても多いです。
グレンファークラス
家族経営の伝統あるスコッチウイスキー
創立1863年のグレンファークラス蒸留所。ジョングラント一族が経営しており、現在5代目です。
家族経営の蒸留所はかなり少なく、その伝統が伺えます。
グレンファークラスはシェリー樽での熟成にこだわっており、今では数少ないシェリー樽のウイスキーです。
蒸留所に構えるポットスチルはスペイサイドの中でも最大級で、そのポットスチルから作られる原酒は濃厚で複雑な味わいです。
シェリー樽由来のドライフルーツの様な甘さが特徴で、シェリー樽の味わいを知りたい方にはとてもオススメできるシングルモルトです。
グレンモーレンジィ
世界一の高さを誇るポットスチルが生み出す繊細な味わい
1843年創業のグレンモーレンジ蒸留所。ルイヴィトン社の所有する蒸留所です。
グレンモーレンジィの特徴の一つとして、背の高いポットスチルがあります。
元々は中古のジン用として使用されていたポットスチルですが、それが思わぬ結果を生み素晴らしい風味となりました。全長は何と5.14mです。これはスコットランド最長です。
またグレンモーレンジィは”樽のパイオニア”とも呼ばれており、シェリーやポート、マディラなどのワイン樽に詰め替えて後熟を促す”ウッドフィニッシュ”の技法はグレンモーレンジィが編み出しました。
そんなグレンモーレンジィは地元スコットランドでは人気ナンバーワンで、バニラの様な甘い香りとハチミツやアーモンドなどの濃厚な味わいが非常に心地よい銘柄です。
グレングラント
イタリアでの人気ナンバーワンスコッチウイスキー
グレングラントは1840年に創業。グラント兄弟によって創業されました。
ちなみにグレンファークラスやグレンフィディックのグラント家とは全く違うグラント家です。スコットランドには、グラント家という家名が多いのでしょう。
イタリアで圧倒的な人気があり、シングルモルト内のシェア率は70%と驚く数字です。
精留器という機械により癖にないスッキリとした味わいとなり、サラッと飲めてしまう味わい。
ハイボールや水割りなどで食事と合わせても相性が良いのでオススメです。
クライネリッシュ
甘くリンゴやバターの味わいの優雅なスコッチウイスキー
1819年に設立のクライネリッシュ。元々、サザーランド公爵が密造酒対策として設立されました。
その後、1967年に蒸留所のすぐ横に新しい蒸留所が出来、そちらをクライネリッシュ蒸留所と名乗るようになりました(古い方は、ブローラ蒸留所となりました)。
現在、蒸留所で作られるウイスキーのほとんどはジョニーウォーカーの重要なキーモルトとして製造されますが、それ以外がシングルモルトとして販売されます。
味わいの特徴は何と言っても、非常に甘くリッチで、リンゴやバターの様な味わい。
まるでリンゴパイを想像させます。
僕も大好きなモルトの一つ!オススメです。
ロングモーン
ジャパニーズウイスキーの原点!?竹鶴正孝の軌跡。
ロングモーン蒸留所は1894年にジョン・ダフが創業。
ロングモーンの意味はゲール語で”聖人の場所”意味します。
1919年にジャパニーズウイスキーの祖である”竹鶴政孝”がウイスキーを学んだ蒸留所の一つとしても有名で、当時行われていた石炭直火焚き蒸留は、北海道の余市蒸留所で現在でも行われています。
今のジャパニーズウイスキーはロングモーン蒸留所無くしては生まれなかったかも知れませんね。そう言った意味ではジャパニーズウイスキーの母なる蒸留所と言えるでしょう。
複雑で花の様な香りや麦芽の香ばしい味わいなど何層にも重なる味わいで、ウイスキーマニアからは絶大な評価を得ているのですが、何故か知名度は低いです。
僕も大好きなモルトの一つです!オススメです。
最後に
いかがでしたか?
スペイサイドウイスキーはスコッチウイスキーの中でも非常に飲みやすい地域のウイスキーです。
最初はスペイサイドウイスキーから飲み始め、最後にまた戻ってくると言われる地域です。
事実僕も、スペイサイドに戻ってきました。
それだけ魅力に溢れた地域のなのです!
是非色々飲み比べて下さいね!
今日は以上です。
ありがとうございました!