この記事では現役バーテンダーのゆうが、ウイスキーのテイスティンググラスの選び方を解説致します
主に
- グラスの重要性
- 形状の違いがもたらす味わいの違い
- オススメのグラス〇選
- グラスを扱う際の注意点
これらを解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください！
１・ウイスキーにおいてのグラスの重要性
突然ですが、ワインにおいてのグラスの話しを少しさせてください。
私がソムリエの資格を取った時の話ですが、”ワイン業界ではグラスをとても重要視している”という事に気づいたんです。
気になったので、同じワインでグラスだけ変えて比べてみました。
確かに印象や味わいがまるで違います。今まで苦手と思っていたジャンルのワインもグラスを変える事で、全く違うアプローチがあり美味しく感じました。
逆に美味しいと感じていたワインもグラスが変わると、前より物足りなく感じました。
”ワインのポテンシャルを引き出すのも殺すのもグラスなんだ”と私は感じたのです。
ワインの話しばかりすみません。ワインに関しては別の機会に詳しく解説致します。
このグラスの話はウイスキーにも当てはまります。
グラスの薄さ、口径の広さ、返しがあるか否か、グラスの膨らみや深さなど影響を与える要因は様々です。
それぞれ詳しく解説致します。
貴方が苦手と思っていたお酒は、グラスのせいかも？
そのお酒に合ったグラスをえらびましょう！
今までウイスキーをストレートで飲めなかった方はグラスのせいだったかもしれませんよ？
それほどグラスが与える影響は大きいです！！
２・形状による口当たりや味わいの違い
こちらではグラスの形状が味わいや印象にどのような影響を与えるのか解説して行きます。
貴方に合ったグラスの形を見つけて下さい！
１・グラス（リム）の薄さ
リムの薄さが与える影響は以下の通りです。
- 薄いほど滑らかな口当たりになる
- 薄いほどウイスキーの温度の違いをよく感じる
- 薄いほど高級感がある
- 薄いほど割れやすい
- 薄いほど味が上品になりすぎる（雑味なども感じづらい）
- 薄ければ値段も高い
リムが薄ければ、味わいが滑らかかつ上品にしてくれます。ですが、バーボンのバーボンの様な雑味も楽しむ物は、何か物足らなくなってしまうのも確かです。
基本は薄いのを選ぶと間違い無いと思いますが、値段が少し高いのにとても割れやすい！
常に割れる恐怖と戦う必要があります！笑
２・口径の広さ
口径広さが与える影響はこちらの通りです。
- 口径が狭い方が甘みを感じる
- 口径が広い方が甘み以外の苦味、アルコールの辛味、雑味を感じる。
- 口径が広ければ、口内全体にウイスキーが入る（口全体で味わえる）
- 口径が狭ければ、少量づつ口内に運ばれる。
口径が狭いものは甘みを感じやすいので、若いウイスキーや、分かり易いガッツリとした味わいのウイスキーにオススメです。
逆に口径が広い物は熟成して複雑な味わいの物や、繊細な味わいのウイスキーにオススメです。
３・グラス内の膨らみ
グラスの膨らみは口径の広さと合わせて考えられます。
口径の広さと、グラスの膨らみの外径の差で香りの立ち方が変わります。
膨らみが与える影響は以下の通りです。
- 膨らみが大きいと空気が多く触れるので香りが開く。
- 膨らみが小さい物は、空気にあまり触れないのでウイスキーの香りを崩さない
４・返しの有無
”返し”はグラスの先が外側に向かって反り返っている部分です。
返しが与える影響は以下の通りです。
- 返しがあるとスッと口内にウイスキーが入る。
- 口当たりがマイルドになる
返しがあるとウイスキーがマイルドで飲みやすくなる印象です。
なので、優しい味わいが好みなら返しがある物を選ぶと良いでしょう！
５・グラスの深さ
グラスの深さが与える影響は以下の通りです。
- グラスが深いと重い香り（ピートやスパイスなど）が立ちやすい
- グラスが浅いと華やかな香り（フルーツ系や爽やか系）が立ちやすい
ワインにおいてもボルドーワインの様な重いワインはグラスが深く、ブルゴーニュワインの様な華やかなワインはグラスが浅い物を選びます。
６・ステムの長さ
ステムとは、グラスの足の事を指します。
ステムが与える影響は以下の通りです。
- ステムが長ければウイスキーに手の温度が伝わらない
- ステムが長ければスワリングしやすい
- ステムが長ければ高級感が増す。
- ステムが短ければ倒れにくい
- ステムが短ければ洗いやすい
- ステムが無ければ足がおれる心配が無い
３・オススメのグラス
先程、形状による違いをご紹介しました！
次は特徴別のオススメをご紹介します！
グレンケアン ブレンダーズモルトグラス
脚無しならこれ！
グラスゴーの「グレンケアン クリスタル社」のグラス。
一流のブレンダーや、著名なウイスキー評論家、蒸留所マネージャーなどウイスキーのプロフェッショナルたちの意見を取り入れた物です。
ウイスキーの持つ様々な個性を最大限引き立たせる様に開発されました。
まさに”ウイスキー専用グラス”と言った感じです。
個人的には、10~12年物やノンビンテージなどのオフィシャルラインのウイスキーを楽しむのに適していると思います。
木村硝子 KIMURA GLASS ウイスキー テイスティング 165 S/C
うすはりグラスならこれ！
木村硝子は１９１０年創業のガラスメーカーです。
工場を持たずに日本に様々な職人とコラボレーションしてグラスを排出しています。
ウイスキーに限らず、極薄のビールグラスやワイングラスなど様々な飲食業界で人気のブランドです。
その中でもこのグラスは膨らみもある程度あり、口径のすぼまりも絶妙です。
脚も短いがスワリングしやすいこの脚の長さ。保管もしやすいです。
そして木村硝子のうすはりは薄くとも頑丈なんです。
極薄のグラスから味わえるお酒は、優しく流れるように口内を包むでしょう。
うっすうっすのグラスがお好みならこれ！
洗うのコワいですけどね笑
RIEDEL リーデル ヴィノム コニャックグラス
ワイン業界でRIEDELを知らない人はいないでしょう。
RIEDELはオーストリアの260年続く老舗ブランドで、グラス業界において最も信頼されているブランドの一つです。
そしてこのグラス。本来コニャック用として生産されている物ですが、ウイスキーその力を存分に発揮します。
小ぶりなボディに口の絶妙な返しが、ウイスキーをスムーズに口内へと運びます。
KIMURA GLASS トランペット S ウイスキー
ショットグラスタイプもお一つご紹介。
バーボンの様な雑味も楽しむようなお酒は、ショットグラスの方が相性が良く感じます。
優雅なイメージと違い武骨なイメージでウイスキーを楽しめます。
この木村硝子のトランペットは約30年前から販売しているロングセラー商品！
一脚1500円もしないので持っておいて損はないでしょう。
４・よりこだわる人へひとつだけご紹介
より拘る人はこれっ！というのをご紹介します。
私のバーでも実際使用しています。
ZWIESEL（ツヴィーゼル ）1872 ウイスキーグラス THE FIRST
ZWIESELはドイツのガラスメーカーで”ZWIESEL 1872”はその中でも2005年に生まれた最高級ラインです。
熟練の技術を持つ職人によるハンドメイドでのみ作られており、最高峰の素材を使用しています。
中でもこの”THE FIRST”シリーズは、世界的なソムリエと共同開発し。20のグラスが生まれました。
最高峰のグラスの証です。
空気にしっかりと触れ合う構造のグラスの膨らみは、ウイスキーの細やかな個性をパワフルに引き立たせます。
そしてグラスの口のすぼまりと蓋が、香りをしっかり閉じ込め蓋を開くと爆発的に香りが鼻腔に飛び込んできます。
そして極薄のグラスから口内にウイスキーが運ばれた時、口全体にビロードの様に滑らかにまとわりつきます。
この体験はこのグラスでしか出来ないと思います。
ツヴィーゼル ノージンググラス(ザ ファースト) ZW1332-118772
以上の5点をご紹介しました！
どのグラスも貴方のウイスキーライフを彩ってくれる事間違い無しです！
お気に召したグラスは合ったでしょうか？
５・グラスの拭き方・管理の仕方
さて、グラス選びが終わりましたね！
ただどれだけいいグラスでも、管理がずさんではグラスの真価は発揮出来ません！
なので今回皆さんには、貴方の大切なグラス管理の仕方とその際の注意点をお話します。
注意点をまとめると以下の通りです。
- 食器と一緒に洗わない。
- スポンジはグラスが傷付かない物を使う。
- 拭き上げの際水滴を残さない。
- 臭いの付かない場所に保管。
- 油等が付かない場所に保管。
それぞれ詳しく解説します！
1・食器と一緒に洗わない
グラスを洗う際は、どう洗っていますか？
まさか、油や食べかすが沢山付いた食器と一緒に洗っていませんよね？
グラスは油や汚れにとても敏感です！
グラスに油が付いてしまうと本来持っている輝きを失ってしまいます。
またその油が内部に残っていたら、その油がウイスキーの繊細な香りを包みこんでしまいウイスキーと油が混ざった不快な香りとなるのです。
なので！
食器とグラスを洗うスポンジは分けた方が賢明です！
2・スポンジはグラスが傷付かない物を使う
スポンジは分けた方が賢明と申しましたが、そのスポンジ選びにも罠が存在します。
その罠とは、汚れの良く落ちるスポンジはグラスを傷つけると言う事です。
特に化学繊維の「キュッキュッ」と音のするスポンジは用注意です。
その音は、グラスに見えないほどの細かい傷を付けているのです。
なので！
出来ればスポンジ素材は綿素材を選びましょう！
3・拭き上げの際に水滴を残さない
さて洗い方は完璧ですね！
次は拭き上げの際の注意点です。
その注意点とは、水滴を残さないという事です！
「水滴！？」って思ったそこの貴方！甘い！
グラスに残った水滴って渇くと水垢になって取れないんです。
その水垢を取るためには、洗浄力の強いスポンジを使わないと取れません。
洗浄力の強いスポンジは何がダメなんでしたっけ？
そうです！グラスに傷が付くんです。
なので！
水滴は残さない様にしましょう。
という事で、水滴がすぐ取れる私のバーでも実際に使用しているグラスタオルをご紹介します！
バーディサプライ(BIRDY. Supply) グラスタオル Mサイズ
BIRDY.は日本のバーツール専門メーカーで、自動車部品メーカーの研磨技術がバーツールの細部まで光る唯一無二のブランドです。
その中のBIRDY. Supplyはその技術を家庭でも楽しめる様に生まれた新たなラインです。
今回ご紹介しているグラスタオルは、今までのグラスタオルの概念を覆すほどの性能です。
分かり易い動画があるので参考にどうぞ↓
見ました？
BIRDY.グラスタオルを知ると他には手を出せません笑
4・臭いの付かない場所に保管する
拭き方はこれで完璧ですね！
最後に保存する場所も大切です。
油が飛ぶ場所や汚れやすい場所は避けて、棚に保管してくださいね！
グラスに臭いや汚れが付いてしまうと中々取れません！バーディーでも！
なので汚れや臭いが付かない場所に保管してくださいね！
以上がグラス管理の仕方でした。
めんどくさいですよね。私もめんどくさがりなんで気持ちは分かります。
ですが、貴方がせっかく相棒に選んだグラスです。
管理もしっかりとする事で愛着が沸き、ウイスキーもより美味しく楽しめるのでは無いでしょうか！
しっかりと手入れされたグラスでしか、ウイスキーは表情や香りを出してくれないでしょう。
６・まとめ
グラス選びの方法は分かって頂けましたでしょうか？
じっくりと考えて選んだグラスは、貴方のウイスキーライフをきっと彩ってくれるでしょう。
それとグラス管理の仕方ですよ。
管理がずさんでは、ウイスキーも本来の香りを出してくれません。
グラス管理は丁寧に！愛情を込めましょう。
１・グレンケアン ブレンダーズモルトグラス
グレンケアン ブレンダーズモルトグラス ウイスキーテイスティンググラス 190cc 1脚箱入
２・木村硝子 KIMURA GLASS ウイスキー テイスティング 165 S/C
KIMURA GLASS ウイスキー テイスティング 165 S/C タンブラー 12421
３・RIEDEL リーデル ヴィノム コニャックグラス
[正規品] RIEDEL リーデル グラス コニャック用 ペアセット ヴィノム コニャックグラス 170ml 6416/71
４・KIMURA GLASS トランペット S ウイスキー
KIMURA GLASS トランペット S ウイスキー タンブラー 638
５・ZWIESEL（ツヴィーゼル ）1872 ウイスキーグラス THE FIRST
正直一番最強はこれです！
ウイスキーのポテンシャルを最大限に引き出します。
ツヴィーゼル ノージンググラス(ザ ファースト) ZW1332-118772
楽天↓
６・バーディサプライ(BIRDY. Supply) グラスタオル Mサイズ
現状最強のグラスタオル。
BIRDY.には本当に驚かされます。
バーディサプライ(BIRDY. Supply) グラスタオル Mサイズ(40 x 70cm) クールグレー GTM-CG
以上です！ありがとうございました！
