この記事では現役バーテンダーのゆうがウイスキーの聖地”アイラ島”の9つの蒸留所を特徴別に徹底解説致します。
主に
- アイラ島とは?
- それぞれの蒸留所の特徴
これらを主に解説していきます。
是非最後までご覧ください!
それでは解説です。
アイラ島とは?
アイラ島の概要
アイラ島はイギリスのスコットランド内のヘブリディーズ諸島(スコットランド西岸に広範囲に広がる島嶼部の総称)のひとつです。
小さい島ながらも多くの蒸留所が存在しており、ウイスキーファンにとってアイラ島は聖地と言える場所なのです。
アイラウイスキーの特徴
・スモーキーで個性的
アイラウイスキーの大きな特徴の一つとしてスモーキーな香りが特徴です。
そのスモーキーな個性は、モルトを完成させる時に使用する燃料の”ピート”からきています。
ピート(泥炭)は、アイラ島の土壌に広く埋まっており、三分の一がピートだと言われています。
ピート(泥炭)
スコットランドに広く存在し、野草や水性植物が地中で炭化して泥炭になった物。
乾燥の際に燻した香りが麦芽に付き、特徴的なスモーキーな香りとなる。
・海風を浴びた潮の香り
アイラウイスキーのもう一つの特徴として”潮の香り”が挙げられます。
アイラ島内の蒸留所のほとんどは海に面しています。
その蒸留所内を熟成されている樽は潮風の影響を受け、潮の香りを纏うのです。
また、樽だけでは無く、ピートや原料のモルトにも”潮の香り”が付きます。
この特徴は他のスコッチにはあまり見られないので、個性の一つと言えるでしょう!
アイラ島内の蒸留所
ボウモア蒸留所
1779年創業のボウモア蒸留所。
アイラ島で最古の蒸留所。
海藻を含んだピートを用いるのでスモーキーな香りが特徴です。
海抜0メートルの熟成庫を所有している事も大きな特徴の一つです。
”アイラモルトの女王”と呼ばれており、アイラモルトの中では最もバランスの取れた味わいと言えるでしょう。
ラフロイグ蒸留所
1815年創業のラフロイグ蒸留所。
チャールズ皇太子が良く好んで飲むウイスキーとして有名で、1994年にシングルモルトとして初めてイギリス王室御用達となりました。
化学式薬品の様な刺すようなヨード臭が特徴的で、一部のファンから絶大な人気があります。
フロアモルティング製法を現在でもしている珍しい蒸留所です。
アードベック蒸留所
1815年に創業のアードベック蒸留所。
アイラモルトの中でも特に、強いスモーキーな香りが特徴でタールや重油などと例えられます。
1980年代に一度閉鎖されましたが、1997年にスコッチ・ウイスキーメーカーのグレンモーレンジ社が買収し、再開しました。
毎年、アードベックデイというイベントを開催しており、その都度に限定物のウイスキーが販売され、ウイスキーファンを楽しませてくれます。
ブルィックラディ蒸留所
1881年創業のブルックラディ蒸留所。
1994年に一度閉鎖しましたが、オーナーが変わり2001年に復活しました。
こだわった製法が人気の蒸留所で、今でも120年前の設備を使い続けています。
この蒸留所一つで、様々なブランドを販売しており、
- 蒸留所の名前のスモーキー香りが無い”ブルックラディ”
- スモーキーで濃厚な”ポートシャーロット”
- ギネス認定の世界一のピート香の”オクトモア”
- アイラ発のクラフトジン”ボタニスト”
の4つを展開しています。
ブルィックラディ
蒸留所の名前を冠した”ブルックラディ”。
アイラ島のウイスキーながら、スモーキーな香りが全くないノンピートなのが特徴です。
華やかでエレガントな香りですが、潮の香りも感じられ、スコットランド本島とはまた違った個性を持っています。
ポートシャーロット
現在閉鎖しているポートシャーロット蒸留所の名前を冠したウイスキー。
力強いピート香が特徴で、数値的にはラフロイグやアードベック並みです。
ブルックラディ蒸留所のエレガントな香りとピート香が合わさり絶妙なバランスの取れた味わいです。
フェノール値は40ppm。
オクトモア
オクトモアはブルイックラディ蒸溜所から約1km南下したあたりにある村の名前です。
ピート香の強さを測るフェノール値が世界一高い事で有名で、
- ラフロイグ 40ppm
- アードベック 50ppm
- オクトモア 80~300ppm
とその差が歴然です。
元々、エレガントな香りが特徴のブルックラディ蒸留所がピート香が最も高いウイスキーを作るとどうなるのか?という好奇心からオクトモアが生まれました。
ザ・ボタニスト・ジン
アイラ島で唯一作られるジンの”ザ・ボタニスト・ジン”
アイラ島で採れる22種類ものボタニカルと、ジンを構成する伝統的な9つのボタニカルで作られています。
そのボタニカルの多さにはびっくりです!
中でも、
- アイラ島で自生するジュニパーベリー
- ピートの元となる野草”ヒース”
これらがボタニカルとして使われている事は、アイラ島のジンならではですね!
ラガヴーリン蒸留所
1816年に創業したラガヴーリン蒸留所。
スモーキーな香りとシェリー樽を使用した甘い香りが特徴です。
蒸留所はアイラ島内の最南部に位置しており、元々違法蒸留所として稼働していた蒸留所の二つがくっ付いて、ラガヴーリン蒸留所となりました。
カリラ蒸留所
1846年創業のカリラ蒸留所。
アイラ島内で最大の生産量を誇っています。
その生産のほとんどは実は”ジョニーウォーカー”のブレンドに使用されています。
アイラモルトの中でもスモーキーな香りは少し控えめでフルーティーな香りが特徴です。
ブナハーブン蒸留所
1881年創業のブナハーブン蒸留所。
ピートを殆ど焚かないので、アイラ島の中では異色な存在です。
元々はピートを焚いていたのですが、時のノンピートブームにより、ピートを殆ど焚かないスタイルとなりました。
様々なウイスキーのキーモルトとして使われています。
キルホーマン蒸留所
2005年創業のキルホーマン蒸留所。
124年ぶりにアイラ島に出来た新しい蒸留所です。
力強いピートと甘い濃厚な味わいが特徴です。
少量生産ながら、その品質の高さには世界的なウイスキーの評論家から絶大な支持を受けています。
2017年には、ウイスキー・オブ・ザ・イヤーも受賞しており、今後ますます期待されていく蒸留所でしょう!
ガートブレックについて
ガートブレックはアイラに新しく建設予定の蒸留所です。
詳しくしりたい方はこちらをご覧ください!
最後に
最後までご覧いただいてありがとうございました!
ウイスキーに魅了されたかたは、一度はアイラ島に行ってみたいと思うものですよね!
”百聞は一見にしかず”という言葉は良く言った物だなと思います。
昔はツアーも何もなかったみたいですが、最近はアイラ島ツアーも日本から組まれたりしているみたいですよ!
私もバーテンダーなら一度はアイラ島に行って思いを馳せてみたいですね~
今日は以上です!ありがとうございました!