この記事では、現役バーテンダーのゆうがボトラーズウイスキーに関してを初心者にも分かり易く解説致します。
今回は特に、
- ボトラーズウイスキーとは何?
- 有名なボトラーズウイスキーの会社
- 購入できるオススメの銘柄〇選
と言った内容を主にお話ししていきます!
是非ご覧ください。
それでは解説!!
1・ボトラーズウイスキーとは?
ボトラーズウイスキーとは?
独立系瓶詰業者(インディペンデント・ボトラーズ)と呼ばれる、蒸溜所から原酒を買い取って独自に熟成し自社で瓶詰めも行う会社が販売しているウイスキーのことです。
蒸留所自体が自ら瓶詰めして販売するオフィシャルボトルとは違い、樽ごと購入する事し独自に瓶詰めする事によってオフィシャルに無い個性を出します。
その特徴とは主に、
- オフィシャルに無い熟成年数
- オフィシャルに無いブレンド比率
- オフィシャルに無い度数
- オフィシャルに無いカスクストレングスでの販売
などが主に挙げられます。
その個性はボトラーズ会社によっても違い、好きなボトラーズ会社を探すのも、ウイスキー探求の楽しみと言えるでしょう。
少量生産の場合が多く、人気の蒸留所のボトラーズウイスキーはすぐに売り切れてしまいます。
またボトラーズウイスキーには、蒸留所が不明の物も多く存在します。
その理由は、”蒸留所から名前を使う事を禁止されている”からです。
その為、ボトラーズウイスキーには隠語で蒸留所名を表記しているケースがあり、例えば、
- ”ウエストポート”→”グレンモーレンジィ”
- ”ラガンミル”→”ラガヴーリン”
- ”ウィリアムス”→”ラフロイグ”
など様々な隠語が存在します。
ボトラーズ会社が勝手に名前を語って美味しくないウイスキーを販売してしまう事による、その蒸留所のブランドイメージが下がるのを防ぐ為です。
隠語やキーワードを全て理解する事はかなり難しいですが、少し知っていると面白いですね。
ボトラーズウイスキーは、オフィシャルボトルには無い個性が出てくる!!
その個性もインディペンデントボトラーズによってかなり違う!
2・厳選!オススメのボトラーズ会社7選!!
ボトラーズ会社って沢山ありすぎてあげるとキリが無いので今回は、有名な7社に厳選してご紹介します!
1・ダグラスレイン社
ダグラスレインは1948年にグラスゴーで設立されたボトラーズ会社です。
2013年にダグラスレイン社は弟のフレッド・レイン氏が引き継ぎました。
ブレンダーの一面があるダグラスレイン社は、シングルカスク以外にブレンデッドウイスキーも展開しています。
シングルモルトとしての基準に満たない樽は全てブレンデッドウイスキーへ回し、品質に妥協しないリリースを続けてきました
ダグラスレインは主に3つのシリーズが存在し、
- リマーカブルリージョナルモルトシリーズ
- オールドパティキュラー シリーズ
- プロベナンスシリーズ
の3つに展開されます。
リマーカブルリージョナルモルトシリーズ
・リマーカブルリージョナルモルトシリーズは、ビックピートを初めとした地域別にモルトをブレンドしリリースしている比較的安価なシリーズです。
地域別の個性を気軽に楽しむ事が出来ます。
オールドパティキュラー シリーズ
・オールドパティキュラー シリーズは、2013年に新生ダグラスレイン社が新しいフラッグシップモデルとしてリリースしたシリーズです。
48.4度および51.5度という、実にこだわりぬいた度数を選定し、それぞれのボトルがそのポテンシャルを最も発揮できるタイミングでボトリングされています。
プロベナンスシリーズ
・プロベナンスシリーズは、品質の高さはそのままに46%まで加水をしたリーズナブルなシリーズです。
2016年よりラベルを一新したのと同時にシングルカスクでボトリングされるようになりました。価格は安価のままです。
2・スコッチモルトウイスキーソサエティ社(SMWS)
スコッチモルトウイスキーソサエティは、1983年に英国エディンバラの古い港町、リースで設立された会員制のウイスキークラブです。
入会した会員のみが、SMWSがボトリングしたウイスキーを購入する事が出来ます。
「熟成されていたままのウイスキーを飲みたい!」というソサエティ設立当初からの方針の元、ウイスキーは一切加水されずに販売されます。
また、ラベルには蒸留所が記載されていません。
記載があるのは、ソサエティの大きなロゴマークと蒸留年月、熟成年数、瓶詰年月、アルコール度数、そして蒸溜所コードと樽番号です。
蒸留所名の先入観に囚われずにウイスキーを楽しんで欲しいというソサエティの考えがあるからです。
入会費・年会費は1万円と少々お高めですが、ソサエティでしか楽しむ事の出来ないウイスキー体験があります。
入会せずに飲みたいという方は、ソサエティを扱っているBARで楽しむか、東京汐留のパークホテル内の25階にある「ザ ソサエティ」というソサエティ専門のBARがありますのでそちらに行かれてみて下さい!
SMWSのホームページ↓
SMWS社のウイスキーは会員か会員のバーでしか楽しむ事が出来ません!
他のインディペンデントボトラーズとは、毛色が少し違う会社です!
3・キングスバリー社
キングスバリー社は、スコットランド・アバディーンにて設立され、1989年よりシングルモルトのボトリングを開始したボトラーズ会社です。
元々イーグルサムと言う会社名で、
これまで数々の伝説的なウイスキーを輩出してきました。
2012年にスプリングバンク蒸留所の創業一族のGordon Wright(ゴードン・ライト)氏が代表として就任し、ボトリングする事になりました。
キングスバリーは”ヴィンテージ”をコンセプトとしています。
その年の様々な要因によって、シングルモルトのヴィンテージによる特別なキャラクターが存在すると考えています。
熟成の過程も大いに重要ながら、そのウイスキーが生まれたその瞬間に一番の視点をおきたい、という強い思いがあるそうです。
なのでラベルには熟成を始めた年(ヴィンテージ)を記載しています。
安価なラインが少なく、それなりに熟成したウイスキーが販売される傾向にあります。
キングスバリーはクオリティの高い物が多いです!
ヴィンテージに注目する傾向が広がってきてます。
4・シグナトリーヴィンテージ社
シグナトリーは、アンドリューとブライアンのシミントン兄弟が1988年エジンバラに設立したボトラーズ会社です。
フルネームは、シグナトリー・ヴィンテージ・スコッチ・ウイスキー社。
他のカスク(樽)と混ぜ合わせない事が特徴で、希少価値の高い蒸留所のウイスキーをいくつも輩出し、今やボトラーズ会社の中でもリーダー的存在と言えるでしょう。
ラインナップは主に2種類で、
- アンチルフィルターシリーズ
- カスクストレングスシリーズ
となっています。
アンチルフィルターシリーズ
・アンチルフィルターシリーズは、一つの蒸留所のウイスキーをろ過せずにボトリングしたシリーズです。
比較的安価な物が多いにも関わらずクオリティが高い事がとても評価されています。
カスクストレングスシリーズ
カスクストレングスシリーズは、一つの蒸留所のウイスキーを加水せずろ過せずにボトリングしたシリーズです。
超熟の物が多く、現代のウイスキーブームにも関わらずコストパフォーマンスのよさがとても評価されています。
5・ゴードン&マクファイル社
ゴードン&マクファイル社(GM社)は、1895年創業の老舗ボトラーズ会社です。
膨大な古酒のストックを保有し、様々な有名・無名蒸留所のアイテムを独自にボトリングしいます。
様々な蒸留所と深い信頼関係があり、特にマッカランとの関係の深さは有名です。
蒸留所自体がGM社から原酒の買戻しを行う程、その熟成に関してマッカランから絶大な信頼が寄せられています。
言い換えれば、それだけオフィシャルのハウスボトリングの熟成に忠実と言えます。
現在4つのシリーズが主に流通されており、
- プライベートコレクションシリーズ
- コニサーズチョイスシリーズ
- 蒸留所ラベルシリーズ
- ディスカバリーシリーズ
の4つです。
プライベートコレクションシリーズ
・プライベートコレクションシリーズは、あまり知られていない蒸留所やすでに閉鎖された蒸留所のシングルモルトが発売されているシリーズです。
ストラスアイラの古酒や、グレンロッシーなどのマニアックな蒸留所がボトリングされる超熟がメインの高級ラインです。
コニサーズチョイスシリーズ
・コニサーズチョイスは、GM社のメインとなるシリーズです。
その種類は非常に豊富で約100種類の蒸留所のウイスキーがこれまでに排出されており、品質とコストパフォーマンスの良いシリーズです。
蒸留所ラベルシリーズ
・蒸留所ラベルはゴードン&マクファイルと蒸留所との深い信頼関係を示すものです。
信頼されているからこそ、蒸留所のオフィシャルとほぼ同じ見た目のボトルで販売だれるのです。
信頼されているからこその蒸留所のオフィシャルボトルと殆ど同じラベルデザインとなるのです!
ディスカバリーシリーズ
・ディスカバリーシリーズは、最近新しく出来たシリーズです。
モルト入門編の様な位置づけとされるこのシリーズは、3つのジャンル分けがされていて”バーボン”、”シェリー”、”スモーキー”の3つの分類されます。
ボトルデザインからその3つの特徴を見分ける事が出来て、
- ”バーボン”→樽の上にフルーツが載っているデザイン
- ”シェリー”→シェリー樽が積み重なったイラスト
- ”スモーキー”→泥炭(ピート)が燃えているイラスト
上記が描かれています。
比較的安価な物が多いのでウイスキー初心者でも手を出しやすい価格帯となっております。
6・ウィリアム・ケイデンヘッド社
ケイデンヘッド社は、1842年にスコットランドの第3の都市”アバディーン”にて創業した世界最古のインディペンデントボトラーズ(ボトラーズ会社)です。
100年以上創業一家で経営されてきましたが、1972年にスプリングバンク蒸留所を所有するJ&Aミッチェル社に経営が引き継がれました。
カラーリング(着色)とチルフィルター(冷却ろ過)を決して行わない事がケイデンヘッド社のポリシーです。
自然体のウイスキーを楽しんで欲しいという170年間変わらない考えが今でもしっかりと残っているインディペンデントボトラーズです。
現在流通しているシリーズは約5種類です。
- ・ブラックラベルシリーズ
- ・ゴールドラベルシリーズ
- ・チェアマンズストック
- ・オーセンティックコレクション
- ・スモールバッチシリーズ
最古のボトラーズ会社!
蒸留所とのコネクションもとても強いです!
7・ブラックアダー社
ブラックアダーは、ウイスキー業界の最前線で長年活躍してきた「ロビン・トゥチェック氏」が1995年に設立したボトラー「ブラックアダー・インターナショナル」の銘柄の一つです。
ブラックアダーの特徴は、樽から出たままの本来のウイスキーの味を楽しめるという事です。
なので、樽の澱がボトルの中に入っていたりと奇抜なボトリングが特徴です。
また、マイナー蒸留所のウイスキーがボトリングされる事も多くコアなファンの多い会社です。
無濾過、ノンカラーリングのブラックアダー!
コアなファンが多いブランドです。
3・まとめ
今回はボトラーズウイスキーの解説でした。
ボトラーズウイスキーは生産量が少ないので、一期一会のボトルが沢山あります。
その出会いが楽しいので色んなボトラーズウイスキーを試してみて下さい!
最後までみて頂いてありがとうございました!!