皆さんはカルヴァドスについてご存知でしょうか? この記事では現役バーテンダーのゆうが、カルヴァドスについて解説致します。 主に、
- カルヴァドスとは?
- カルヴァドスの生産方法や特徴
- カルヴァドスの格付けについて
- オススメの銘柄5選!
これらを解説していきます。
また、カルヴァドスを使ったカクテルを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください↓↓
カルヴァドスについて
カルヴァドスを日本で見かける事は少ないかもしれません。そもそもカルヴァドスとはどんな原料でどういう地域で作られるのでしょうか?
カルヴァドスは何のお酒?
カルヴァドスはリンゴを使用したブランデーの事です。
ですが、リンゴ以外にも実は洋ナシを使用する事が認められており、原料の30%以内なら許可されています。
リンゴを使用したお酒はカルヴァドス以外にも「シードル」や「オードヴィードアップル」などがありますが、カルヴァドスにはカルヴァドスと名乗る為の規定があります。
カルヴァドスが生産される地域について
出典:http://communities.washingtontimes.com/neighborhood/normandy-city-destiny-and-light/2013/dec/15/normandy-getting-there/
カルヴァドスが生産される地域は「フランスのノルマンディー地方」。
日本人がノルマンディーと聞いて想像するのは、「ノルマンディー上陸作戦」や「モンサンミッシェル」などでしょうか。
ノルマンディー地方はフランスの北西に位置しており、冷涼な気候のこの地域ではブドウは育たない代わりにリンゴがとても育ちました。
そのリンゴはお酒造りにとても適しており様々なカルヴァドスが生産されてのです。
カルヴァドスの歴史
カルヴァドスの歴史はとても古く、古書の文献によると1553年にはカルヴァドスが製造されていたとされています。
また19世紀前半にフィロキセラがヨーロッパ上で猛威を振るい、ブドウ生産に壊滅的な被害をもたらしました。その時、ワインの代替品をして人々から脚光を浴びたお酒の一つがカルヴァドスです。
そのリンゴの芳醇な香りと味わいは世界中で話題となり、広まっていったのです。
また、カルヴァドスを使ったカクテルを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください↓↓
カルヴァドスの格付け・生産地呼称
カルヴァドスには、生産される地域によって原産地呼称が認められています。
つまり優良な場所で作られたカルヴァドスは、良い名前を名乗る事が出来るのです。
原産地呼称規制 AOC
カルヴァドス・ペイ・ドージュ
カルヴァドス・ペイドージュは、3つの中で最も厳しい規定のあるAOC。
最低でも2年以上熟成させる必要があり、蒸溜方法も単式蒸留器で2回という規定があります。
ペイ・ドージュ地区はリンゴの栽培に適した気候です。ここで生産されたカルヴァドスは高級品と位置付けられています。リンゴを多く使用しているのも特徴のひとつで、極上の味わいを堪能できるカルヴァドスです。
カルヴァドス・ドンフロンテ
カルヴァドスの中でもドンフロンテ地区で生産されるカルヴァドスの事を指します。
ドンフロンテ地区は面積が小さいエリアのため、カルヴァドスの生産量も少なく、全体の約1%程度。
またこの地区では、リンゴ以外に洋ナシも盛んに生産されており、カルヴァドスにも洋ナシが多く使用されます。
洋ナシ独特のアロマを感じ全体的にまろやかな味わいとなり、規定により最低熟成年数も3年以上とされているので熟成感があるのも特徴です。
また、蒸溜方法はアランビック式蒸留器で蒸溜するという規定があります。
カルヴァドス A・C
カルヴァドス県をはじめとして、広範囲の畑で生産されるカルヴァドスです。つまり、上記の2種類以外はこのカルヴァドスとなります。
最低熟成年数は2年以上で、蒸留方法に特に規定はありません。
手頃な価格帯が多いのが特徴でもあり、カルヴァドス初心者はまずはこちらから始めるのも良いかもしれません。
まとめると、
- 原産地呼称による格付けがある!
- 格付けの位が最も高いのは”カルヴァドス・ペイ・ドージュ”
- 土地によって土壌環境も様々
- 土壌環境がリンゴの味わいを大きく作用する
オススメの銘柄5選
ブラー グランソラージュ
カルヴァドスの代表的存在!ペイドージュの高品質カルヴァドス!
まずは、「ブラー グランソラージュ」のご紹介。
このカルヴァドスは日本でも一番見かける事が多く、ペイドージュ畑のリンゴにこだわって使用しており、約2~5年の熟成年数です。
グランソラージュの意味は”最良のリンゴを生み出す偉大なる土壌”という意味。
カルヴァドスを飲み始める方はまずこちらから飲んでみてはいかがでしょうか?
クールドリヨン クッキングカルヴァドス
お菓子にオススメのお手頃カルヴァドス
クールドリヨンのクッキングカルヴァドスのご紹介。
こちらのカルヴァドスはお菓子作りなどに使用される事を目的としたカルヴァドスです。
お手頃な価格なので、お菓子のアクセントとしていかがでしょうか?
クールドリヨン ポム プリゾニエール
瓶に中にリンゴが丸ごと一個!プレゼントに最高の上質カルヴァドス。
クールドリヨンのポム プリゾニエールのご紹介。
こちらのカルヴァドスは何と瓶の中にリンゴが丸ごと一個入っています。
どうやって入れるのかと言うと、まだ小さいリンゴの状態の時に瓶を被せ、そのまま成長させて頃合いをみて切り取るのです。
使用されているカルヴァドスも5年程度熟成させた物で味わいを抜群!
縁起物として重宝されるので、プレゼントなどにいかがでしょうか?
シャトーブルイユ 15年
ペイドージュの金字塔。コスパ抜群の長期熟成カルヴァドス。
ブラー社と並んで、ペイドージュで有名なのがこの”シャトーブルイユ”。
数百種のリンゴを使用してカルヴァドスが生産されており、リンゴの複雑な味わいが特徴です。
中でもこの15年熟成は、カルヴァドス好きにとても根強い人気を誇っており、この熟成ながらコストパフォーマンスの良い価格となっております。
熟成感のあるカルヴァドスを味わいたい方にオススメ!
パコリ カルヴァドス ドンフロンテ
洋ナシの芳醇な甘み。ドンフロンテの伝統的シャトー。
パコリのカルヴァドスは数少ないドンフロンテ地区のカルヴァドス。
ドンフロンテ地区は生産量が少なく、洋ナシを多く使用する事が特徴です。
他の物と違い、洋ナシの芳醇な甘みを感じる事が出来るので少し味わいの違うカルヴァドスを飲んでみたい方にオススメです!
最後に
いかがでしょうか♪
ブランデーと言ったらてっきりブドウを使っているイメージばかりでしたよね。
リンゴは日本人にも非常に馴染み深いフルーツかと思いますので、カルヴァドスの事を飲んだ事無い方でも美味しく感じる事が出来ると思います♪
またカルヴァドスの飲み方が分からないという方は、こちらのカルヴァドスを使ったカクテルを沢山取り上げた記事を書いてますので、是非ご覧ください↓↓
今日は以上です。
ありがとうございました!