こちらではお酒を種類別に解説しております。
気になる所をピックアップしてご覧ください!
カクテル
カクテルは、”数種の酒、果汁、薬味などを混ぜ合わせた飲料”の事を言います。
そのカクテルは通常、4つの技法と、様々なバーツールを用いて作成されます。
カクテルの歴史
カクテルの起源
お酒を何かで割ったり加えたりする事は、かなり古い時代から行われていました。
古代ローマではワインの水割りが一般的な飲み方でしたし、古代エジプトではビールにハチミツやショウガを加えて飲まれていました。
640年ごろ中国ではワインに馬乳を入れて飲まれていたとされています。
古い時代の人々はお酒をそのまま飲む事はあまりせず、何かで割ったり加えたりしていたのです。
理由は、お酒自体の酒質が現代と比べてそこまで良くなかった為です。
コールドドリンクの普及
古来に飲まれていたドリンクは氷が無かったので冷たい物ではありませんでした。
それが変わったのは19世紀半ばです。人工製氷機の普及によって、カクテルは大きな転換期を迎えました。
これが、欧州やアメリカに普及し氷が容易に手に入るようになったのです。
氷の普及により冷たいドリンクが飲まれるようになり、カクテルの技法のステアやシェイクと言った技法が出回りました。
アメリカでは多民族国家なのでそういった新しい飲み方が普及し、それがグローバルスタンダードとなったのです。
19世紀後半には、マティーニやマンハッタンと言ったカクテルが誕生しました。
そして現代へ
1950年以降、カクテルは急速に進化していきます。
イタリアやフランスでは、キールやベリーニと言ったフルーティーなカクテルが普及し、アメリカではお酒と氷を使ったフローズンカクテルが出回りました。
70年代には、スッキリとしたジントニックやワインクーラーなどが好まれるようになりました。
この時、ウォッカ、ジン、ラム、テキーラなどのホワイトスピリッツがブームとなり(ホワイトレボリューション)、スッキリと飲みやすいカクテルが沢山生まれたのです。
90年代ごろにはフレッシュフルーツが出回るようになりレモンやライム、その他のフルーツを使ったカクテルが主流となっていきます。
現在でも、フルーツカクテルは広くなじまれており、スタンダードカクテルと言った物も楽しまれています。
カクテルの技法
カクテルの技法は、主に4つに分かれます。
それらは主に、
- ステア
- シェイク
- ビルド
- ブレンド
に分かれます。
ステア
ステアの技法は、ミキシンググラスに材料と氷を入れ、バースプーンで手早くかき混ぜ、ストレーナーをミキシンググラスにかぶせて、あらかじめ用意したカクテル・グラスなどに注ぐ。
スピリッツとベルモットなど、比較的混ざりやすい材料をミックスしたり、材料の持ち味を生かして仕上げたいときに行う。
引用:NBA新オフィシャルカクテルブック
シェイク
シェイクの技法は、シェイカーに材料と氷を入れ、シェイカーを強く振って混ぜる。
ジュースなどの混ざりにくい材料を急速に混ぜ合わせたり、アルコール高いお酒の角を無くして(刺激を抑えて)飲みやすくする。
シェイキングの強さ、振る回数などは、使用材料の性質や使用量によって加減する事が大切です。
引用:NBA新オフィシャルカクテルブック
ビルド
ビルドの技法は使用グラスに直接材料や氷を入れて仕上げ、そのまま提供する技法。
もっとも幅広く使われている技法だが、材料を入れる手順によっては(比重の関係で)うまく混ざらない場合がある。
また、プレーンソーダなどの発泡性材料を加えるときは、混ぜすぎてガスを逃してしまう事があるので注意が必要です。
引用:NBA新オフィシャルカクテルブック
ブレンド
ブレンドの技法は、バー・ブレンダー(ミキサー)を使って強い力で混ぜる技法。
アメリカでは、様々なカクテル作りに用いられているが、わが国では、近年人気のあるフローズンカクテルや、フレッシュフルーツを混ぜ込むカクテルなどに主に使用される。
バー・ブレンダーのカップに材料をクラッシュアイスを入れて高速回転させる。
固めのシャーベット状にしたり、液状にしたりと、カクテルの固さは使うクラッシュアイスの量によって加減する。
引用:NBA新オフィシャルカクテルブック
これら4つの技法を主に使いわけ、バーテンダーはカクテルを製作します。
バーツールについて
バーツールはカクテルの作成に、欠かせない存在です。
そんなバーツール、主にこれらが挙げられます。
- シェイカー
- ボストンシェイカー
- バースプーン
- メジャーカップ
- ミキシンググラス
- ストレーナー
- ソムリエナイフ
- ブレンダー
- ペストル
- バーズネスト
- ポアラー
- ビターズボトル
- スクイザー
- グラスタオル
- アイスピック
- アイストング
- ナイフ類
主にこれらに分かれます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
↓↓家飲みにオススメのバーツールについて解説しております↓↓
↓↓超オススメのキッチンタオルのご紹介です↓↓
↓↓ワインオープナーの選び方を解説しております。
グラスについて
カクテルにとってグラスはとても重要です。
グラスに関する記事はこちらをご覧ください!
後述致します。
オススメカクテル!
ジントニックについて
↓↓バーの顔”ジントニック”についての記事です↓↓
ショートカクテルについて
↓↓バーでオススメのショートカクテルに関する記事はこちらをご覧ください!
シェイカーを使ったカクテル
↓↓シェイカーを使ったカクテルに関する記事はこちらをご覧ください!
その他のカクテル関連記事!
↓↓家飲みカクテルに必須のお酒をまとめた記事はこちらをご覧ください!
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ウイスキー
ウイスキーに関しては以下の記事をご覧下さい!
ワイン
ワインの概要
ワインはブドウを原料として作られる醸造酒。
地球上で最も歴史の古いお酒の一つです。
紀元前8000年前には現在のジョージアで飲まれていたとされています。
他の醸造酒との大きな違いは”加水してアルコール発酵させない事”です。
ブドウは自身に水分を豊富に含んでいるので”日本酒”などの様に水分を入れて発酵させる必要がありません。
また、ブドウ自体の糖分が高いので他のお酒に用いられる”糖化”という工程をしないのです。
つまりワインは”ブドウ本来の品質がワインの品質に比例する”と言われています。
なので良い畑で栽培されたブドウから作られたワインはとても高価な物になったりします。
世界一高級なワインとは?
世界一高級なワインをご存知でしょうか?
世界一高価なワインをして名高いのは”ロマネコンティ”でしょう。ロマネコンティはフランスのブルゴーニュ地方のヴォーヌロマネ村のDRC社が所有するグランクリュ畑で生産されるワインです。
最低でも100万円は超え、物によっては500万円になる事だってあります。一度は飲んでみたいです。笑
ワインの製法
ワインの製法は以下の通りです。
赤ワインの場合
白ワインの場合
スパークリングワインの場合
ワインの産地
ワインの産地は主にフランスなどの旧世界と、アメリカなどの新世界に大きく分かれます。
それぞれみていきましょう!
旧世界のワイン産地
旧世界は古来よりワイン造りをしているヨーロッパ諸国を差します。
伝統的な作りが今も継承されており、落ち着いた味わいの物が多いです。
フランス、イタリア、スペイン、ドイツなどが挙げられます。
フランス
旧世界の代表的ともいえるのがフランス。
フランスワイン無しではワインを語る事は出来ないでしょう。
フランスのほぼ全土でブドウが栽培されており、それぞれ有名な地域が多いです。
赤ワインでは、ボルドー地方や、ブルゴーニュ地方。シャンパーニュ地方で作られるシャンパンなどは世界的にトップレベルで有名です。
フランスは原産地呼称法によって厳しくワイン造りが規制っされており、品質が高い事が大きな特徴です。
イタリア
イタリアでは4000年以上前からワイン造りが行われており、その歴史の長さは群を抜いています。
古代ギリシア人から当時”エノテリア・テルス(ワインの大地)”と呼ばれる程ワイン造りに適した環境と言えます。
イタリアのブドウは固有品種が多くイタリアワイン初心者はその品種の多さに驚きます。
有名な産地はキャンティが生産されるトスカーナやバローロで有名なピエモンテなどが挙げられます。
ドイツ
ドイツはワイン造りの北限にあたる産地。
そのほとんどが南部でつくられており、モーゼルやラインガウといった地域が2大産地として有名です。
生産されるワインの約60%が白ワイン。
ドイツワインの大きな特徴は糖度が高いほど高級になる事です。
ドイツ独自の甘さ別に分かれた等級格付けがあり、その中でもトロッケンベーレンアウスレーゼは3大貴腐ワインの一つと言われています。
スペイン
スペインはブドウの栽培面積が世界一のワイン大国。
スペイン固有のブドウ品種が多数存在しており、その多様性のある事も大きな特徴です。
有名な産地では、赤ワイン産地のリオハやスパークリングワインのカヴァの産地のカタルーニャなどが挙げられます。
新世界のワイン産地
続いて新世界の産地です。
古くからワイン造りが行われてきたヨーロッパを中心とした国々に対して、大航海時代にワインが伝わり、新しくワイン造りを始めた国の事が、こう呼ばれます。”ニューワールド”とも言ったりします。
主な産地は、アメリカ、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、南アフリカなど様々で近年では他にも様々な国がワインを作りを始めています。
アメリカ
新世界(ニューワールド)を代表するひとつがアメリカです。
かつては品質のあまり高くないワインが多かったイメージでしたが、今では世界を代表される一大産地です。
木樽熟成由来の濃厚なバニラの様な香りが特徴的で、その濃厚さに魅了される人も少なくありません。
主に西海岸側でワインが作られていますが、最も重要と言われているのがカリフォルニア州です。
カリフォルニア州では様々な高級ワインが作られており、オーパスワンなどが有名なワインのひとつです。
日本人生産者もカリフォルニア州には多く、ケンゾーエステートなどが代表的です。
品種は主に、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネなどです。
チリ
チリは南米の中でも有名なワイン生産地の一つです。
チリワインの最大の特徴は圧倒的なコスパです。
そのコスパの良さから日本でもとても愛されており、日本への国別の輸入量も一位です。
チリのブドウ栽培は南北に細長く分布しているので、スッキリとした物から濃厚な味わいの物までたくさんあり、そのどれもが高品質と言えます。
手軽に美味しいワインを飲みたい方はチリワイン一択と個人的には思います。
オーストラリア
オーストラリアワインの生産量は、近年常に世界トップ10に名を連ねています。
主要品種は、黒ブドウはシラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨン、白ブドウはシャルドネ、セミヨンが特に有名で、世界のワイン市場の中でもその生産量と質の両方において重要な役割を果たしています。
代表的な産地は、最大のワイン産地である南オーストラリア州。
特に銘醸地バロッサバレーは日照時間が長く昼夜の寒暖差が激しく、乾燥した気候であるため、オーストラリアを象徴する品種シラーズを使用した力強さとコクのあるワインの生産に最適な環境です。
ブドウ品種
次にブドウ品種別に見ていきましょう!
黒ブドウ
カベルネソーヴィニヨン
フランスボルドー地方原産の代表的赤ワイン用ブドウ品種。深みのあう色合いとしっかりとしたタンニンが特徴で、重厚で飲みごたえのあるワインになります。
近年ではフランス以外の様々な地域で育てられています。
メルロー
フランスボルドー地方原産の赤ワイン用ブドウ品種。深みのある色合いと、きめ細やかなタンニンがあり、まろやかで口当たりの良いワインになります。
ピノノワール
フランスブルゴーニュ地方を代表する赤ワイン用ブドウ品種。透明感のあるルビー色で比較的タンニンの少ない、なめらかな味わいのワインになります。
シラー
フランスコート・デュ・ローヌ地方原産の赤ワイン用ブドウ品種。
濃い紫を帯びたガーネット色。フルーティさとタンニンのバランスが良く、力強い味わいの赤ワインになります。
また、オーストラリアではシラーズとしても有名です。
サンジョベーゼ
イタリアの代表的な赤ワイン用ブドウ品種。トスカーナ州を始め、広い地域で栽培されています。
濃いルビー色のタンニンと果実味が豊富なワインとなります。
キャンティの主要品種としても知られています。
ネッビオーロ
イタリア ピ工モンテ州で栽培されている赤ワイン用ブドウ品種。
濃いガーネット色で、酸・タンニンのしっかりとした長期熟成型の赤ワインになります。
バローロはこのブドウから造られる代表的なワインです。
テンプラニーリョ
スペインの代表的な赤ワイン用ブドウ品種でスペイン国内で広く栽培されています。
近年ではフランスラングドック地方やポルトガルでも栽培されています。香り高く繊細な味わいを持つ長期熟成型のワインを生み出します。
マスカットベーリーA
1927年(昭和2年)、川上善兵衛により交配された日本固有の生食、醸造兼用品種。キャンディのような甘い香りが特徴で、優しい口当たりとなめらかな味わいの果実味のある赤ワインになります。
白ブドウ
シャルドネ
フランス ブルゴーニュ地方原産の代表的な白ワイン用ブドウ品種。産地、気候の違いで様々な味わいを持つワインになります。
また、シャンパーニュの原料としても有名です。
リースリング
ドイツを代表する白ワイン用ブドウ品種。
しっかりとした酸味と上質な香りを持ち、爽やかな辛口から甘口のワインまで造られます。
石鹸のようなふわりとした香りが特徴的です。
ソーヴィニヨンブラン
主にフランス ボルドー地方やロワール地方で栽培されている白ワイン用ブドウ品種で、ロワール地方ではブラン・フュメと呼ばれています。
ロバート・モンダヴィ氏はフュメ・ブランとネーミングして大成功をおさめました。ニュージーランドでも注目される品種です。
甲州
日本で1300年もの歴史をもつ伝統ブドウで、山梨県を中心に栽培される日本固有の欧州系品種。果皮は淡い赤紫色の美しいブドウです。
和食との相性も良いという珍しい品種。
ワインの楽しみ方
産地からの味わいの違いを楽しむ
先述の通り、ワインには様々な産地があります。
同じシャルドネでも産地が違えば味わいは全く異なります。
例えばフランスとアメリカのシャルドネでは、フランスはスッキリとした味わいに、アメリカでは濃厚で甘い味わいになります。
それ以外にも産地によって個性が異なるので、その違いを楽しみましょう!
ヴィンテージによる味わいの違いを楽しむ
ワインにはヴィンテージという概念があります。
ヴィンテージはブドウが生産された年の事を指し、その年年によってブドウの出来の良さが異なります。
なのでワインは同じブランドでも同じ味の物はありません。
ヴィンテージによってワインの値段も変わったりします。
ぜひ、ヴィンテージを考えてながらワインを楽しんでみて下さい!
グラスの違いによる味わいを楽しむ
グラスがワインに与える影響を考えた事はありますか?
ワインに限った事ではありませんが、グラスがお酒に与える影響はとても大きく、無視できる物ではありません。
分かりやすい例を出すと、ワイングラスには大きくブルゴーニュタイプとボルドータイプがあります。
ブルゴーニュタイプはボディの膨らみが大きく口がすぼまっており、ボルドータイプは縦長で膨らみも抑えめです。
ブルゴーニュタイプにはブルゴーニュワインや香りの繊細で豊かなワインが適しており、ボルドータイプは逆に濃厚でしっかりとしたフルボディタイプが適していると言われています。
ぜひ違いを試してみて下さい!
食べ物とのマリアージュを楽しむ
ワインは食中酒として飲まれる事が多いです。
その食べ物とワインをマリアージュさせる事もワインの醍醐味の一つです。
オススメの合わせ方は、同じ産地同士で合わせる事です。
例えば、フランスのブルゴーニュのワインを飲むなら、ブルゴーニュの郷土料理で合わせる事です。
必ずしも、全てが産地だけで相性が良いわけではありませんが、これを覚えておくだけでマリアージュがとてもしやすくなります。
ジン
ジンの定義
ジンは、主に穀物類が原料のお酒をベースに、ジュニパーベリーや他ハーブ(ボタニカル)なども加え香味づけされたです。
ジュニパーベリーとは?
セイヨウネズという低木の果実を乾燥させた物。
松の木の様なウッディな香りが特徴的で、まさにジンの香りを言えます。
ジンの規定
現在EUでは以下の様にジンの規定が設けられています。
- ジュニパーベリーの香味が主となっている
- 瓶詰めして際のアルコール度数が37.5%以上であること
- 「ジン」「蒸留ジン」「ロンドンジン」の3つのカテゴリに分ける事
これらが規定でもうけられています。
また以下の3つはそれぞれ規定が異なり、「ジン」、「蒸留ジン」、「ロンドンジン」の順に規定が厳しくなっている。
ジンの種類
ジン
- 農作物由来のエタノールにジュニパーベリーのフレーバーを付加した物。(蒸留して香味を抽出する必要が無く、そのまま混ぜても構わない)
- 天然香料もしくは人口甘味料を使用可能
蒸留ジン
- 農産物由来のエタノールを使用し、ジュニパーベリーやその他のボタニカルを伝統的なジン用蒸留器で再蒸留したもの(他の物と混合して香味をつけてはいけない)
- 天然香料もしくは人口香料にて香味を付加したスピリッツを別途添加してもよい
ロンドンジン
- 農産物由来の高品質エタノールを使用し、伝統的な蒸留器にて天然のボタニカルのみを使用して再蒸留したもの
- 蒸留液の最低アルコール度数は70%
- ボトリングの際、少量の糖分の添加は可能ですが、着色料は添加できない。
ロンドンジンと言う名前ですが、これらの規定に沿っていればロンドン以外で作ってもロンドンジンと名乗れます。
ジンの製造方法
ジンは、農産物由来のベーススピリッツにジュニパーベリーを主をしたボタニカルの香味を付加させる為に、再蒸留して香味を加える工程があります。
その工程は主に「浸漬法」と「バスケット法」の二つに分かれています。
浸漬法
ポットスチル内に、60%前後のベーススピリッツと香味を付加したいボタニカルを浸漬し数日間放置し香味を移す方法。
力強いボタニカルの味わいが特徴的です。
バスケット法
ポットスチルのラインアーム部に金属製のバスケットを設置し、その中にボタニカルを詰める。
そして60%前後の蒸留液を再蒸留させる事によってボタニカルを通過させ、香味を移す方法。
爽やかな香りが特徴的です。
代表的なボタニカル
ジンの味わいを構成する上で、ボタニカルの存在は欠かせません!
代表的なボタニカルは以下の通りです。
- ジュニパーベリー
- カルダモン
- コリアンダー
- アンジェリカ
- リコリス
- レモンピール
- オレンジピール
- シナモン
- etc…
ジュニパーベリー
ジンの主となる香り。松の木の様なウッディな香りが特徴。
カルダモン
カンファー様の清涼感の後、多少メディカル・バルサミック・ウッディ感のあるスパイスの香り。
香りの王様と呼ばれる
コリアンダーシード
パクチーの別名。爽快でスパイシーな香りが特徴。
アンジェリカ
スパイシーなムスク様ハーバル・ウッディな香り
リコリス
爽やかで甘みのある香りが特徴的
レモンピール
レモンの皮。
シトラスの様な爽快な香りが特徴的。
オレンジピール
オレンジの皮。
甘さとフレッシュ感があるフルーティーなシトラスの香り
シナモン
濃厚な甘みのあるウッディな香り
クラフトジンについて
現在クラフトジンを製造するメーカーが増えてきています。
地域の特色を生かした素材を使用して差別化を図る事が出来る点と、熟成に莫大な時間を要するウイスキーとは違い、すぐに商品化する事が出来る点が、流行の要因と言えます。
クラフトジンについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!↓↓
ジンを使ったカクテル
マティーニ
ジントニック
ギムレット
↓↓その他カクテルに関する記事をまとめております!
テキーラ
テキーラの定義
テキーラは”アガベ・アスール・テキラーナ(リュウゼツランの一種)”を発酵させ蒸留させたメキシコのお酒。
テキーラは法律で定められており、メキシコ西部のハリスコ州全域、ミチョアカン、ナヤリット両州の一部が特定地域となっています。
メキシコではテキーラの特定地域以外でアガベを蒸留したお酒を”メスカル(Mezcal)“と呼びます。
近年、メスカルを作る生産者も増えてきています。
テキーラの原料・アガベについて
アガベ・アスール・テキラーナ(ブルーアガベ)
アガベとは、多肉植物の一種で見た目はアロエに似た大きな植物です。
アガベには様々な品種が存在するのですが、テキーラの原料として認められているのは”アガベ・アスール・テキラーナ”(ブルーアガベ)”のみです。
そのブルーアガベの中心部分のみをテキーラの原料に使用します。
それ以外の葉の部分を切り落としたアガベは、パイナップルの様な形になります。
そのパイナップルの様な形から、中心部分の事は”ピニャ”と呼ばれます。
育つのに最低でも5年もの年月がかかる
アガベはテキーラに使用される程の大きさに育つまでに最低5年はかかります。
中心部分の直径が70~80㎝、重さ30~40㎏程の物に育てる必要があるのです。
長ければ10年を軽く超える完熟した物を使用する事もあります。
テキーラは農業!
テキーラの値段はどれだけ良質なアガベを使用するかによって決まります。大きく育ったアガベを削って削って中心だけを贅沢に使用する事によって、良質な酒質のテキーラがうまれます。
逆に樽熟成を何年したかどうかは値段にはそこまで繁栄しないのも特徴です。
テキーラの製法
テキーラの製造工程は以下の通りです。
- 原料の栽培
- 蒸煮
- 圧搾
- 発酵
- 蒸留
- 熟成
原料の栽培
原料にはリュウゼツランの一種のアガベ・アスール・テキラーナ(ブルーアガベ)を使用します。
通常6年~8年程、生育させる必要があります。
使用するのはその中心部分(ピニャ)で大きなものでは直径70~80cm、重さ30~40kgにまで成長した球茎のものを使用します。
蒸煮
まず斧で割り、煉瓦製のオーブンまたは蒸気圧力釜に入れて蒸し焼きにすることによりアガベ(ピニャ)に含まれるイヌリンを糖化させます。
イヌリンの糖化について
通常、ビールやその他の穀物の糖化工程では酵素の働きによってデンプン質を糖分に変える必要がありますが、イヌリンの場合は熱によって結合が分解され糖分に分解されるのです。
この働きはテキーラでしか見られない特徴的な糖化工程です。
圧搾
次にローラーミルという機械で、温水を加水しながら圧搾していきます。
少し昔は、馬が回転式の石臼でゆっくりひきながら圧搾するタオナという製法がありましたが、現在はほとんど行われていません。
発酵
次に圧搾によって出来上がったアガベジュースに酵母を入れ発酵させます。
この時に入れる酵母によって味わいが変わります。
蒸留
次に発酵させたら、蒸留です。
通常2回蒸留されますが、稀に3回蒸留させる事もあります。
使用する蒸留器は単式蒸留器、連続式蒸溜機のどちらの場合もあります。
プレミアムテキーラと言われる物には単式蒸留器を使用される事が多いです。
蒸留させた後に加水してアルコール度数を調整します。
熟成
テキーラは樽熟成させる事によって味わいに変化が生まれます。
その熟成期間によって4種類のタイプに分かれます。
テキーラの種類(原料)
主に原料によって2種類の呼び方があります。
- テキーラ
- 100%アガベテキーラ
の2種類です。
テキーラ(TEQUILA)
テキーラを名乗れる条件として、51%以上アガベアスールテキラーナ由来の糖分を使用する事が定められています。
51%以上アガベアスールを使用している物をテキーラと名乗れます。
アガベ以外の糖分は49%以下に抑えなければなりません。
安価な事が特徴です。
100%アガベテキーラ(100%AGAVE TEQUILA)
原料のアガベアスールの糖分を100%使用したテキーラの場合”100%アガベテキーラ”と名乗る事が出来ます。
ラベルにも”100% DE AGAVE“と表記する事が出来ます。
”プレミアムテキーラ”と呼ばれる事もあり、ロックやストレートで味わって楽しまれるのはこちらです。
近年、日本でも100%アガベテキーラが人気となっています。
テキーラの種類(熟成期間)
テキーラには熟成期間によって主に4つに呼ばれ方があります。
ブランコ
樽熟成をしていない物(しても60日以内)
スペイン語で「白」を意味します。
レポサド
60日以上樽熟成をしているもの。
スペイン語で「休ませた」の意味。
アネホ
600リットル以下のオーク樽で1年以上熟成させたもの
スペイン語で「熟成させた」の意味。
エキストラアネホ
600リットル以下のオーク樽で3年以上熟成させたもの。
温かい地域で熟成されるので3年でもかなり熟成した豊潤な味わいとなります。
ウォッカ
ウォッカの概要
ウォッカは穀類やジャガイモを糖化、発酵させ連続蒸留機で蒸留し、その蒸留酒を白樺の活性炭の層でゆっくりと通過させた物です。
白樺の炭の活性作用をウォッカのろ過に利用する事により、味わいがすっきりとする事が特徴です。
ウォッカ製造の歴史は12世紀が最初の記録とされていますが、本格的に現在のウォッカの製造工程になったのは、19世紀半ばです。
フレーバードウォッカについて
通常のウォッカ以外にフレーバードウォッカと言う物があります。
フレーバードウォッカはウォッカをベースに果実を浸漬させたり、浸漬後再蒸留などをして様々な香味をつけたウォッカです。
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!↓↓
ラム
ラムはサトウキビを原料とする蒸留酒の事です。
ラムの歴史
1492年にコロンブスの新大陸の発見後、南欧のスペインのサトウキビが持ち込まれたのが始まりとされています。
遅くとも17世紀には作られていました。
18世紀から19世紀になると、ヨーロッパ諸国でもラムが飲まれるようになりました。
その当時、イギリス海軍では水兵の支給品として欠かせない物となっていました。
ラムの名前の由来
諸説ありますが、「この酒を飲んだ西インド諸島の人々が酔って興奮(ランバリオン Rumbulion)した事」から名付けられたとされています。
rumbulionの頭を取って、Rum(ラム)と呼ばれるようになったのです。
アグリコールラムについて
通常のラムはサトウキビから砂糖の結晶を採った後の糖蜜から作られるのですが、サトウキビの絞り汁をそのまま水で薄めて発酵させるものを”アグリコールラム”と呼ばれます。
独特の個性的なフレーバーが特徴的でアグリコールラムを生産する生産者も増えてきています。
ラムの熟成による種類
ラムは通常3種類に分類されます。
- ホワイトラム
- ゴールドラム
- ダークラム
これらに分かれます。
ホワイトラム
樽熟成を基本行っていないラム。
ステンレスタンクで3ヶ月から1年程度熟成される。
カクテルベースに向いている。
ゴールドラム
バーボン樽などで3年以内の熟成を行ったもの。
カラメル色素で着色をしただけの場合もある。
ホワイトラムとダークラムの間の存在。
ダークラム
バーボン樽などで3年以上熟成させたもの。
茶色から焦げた茶褐色の色合いをしている。
ストレートやロックで飲まれる事が多い。
製法によるラムの違い
原料は全てサトウキビですが、その製法により味わいに変化が生じます。
主に3つに分類されます。
トラディショナル法
サトウキビの絞り汁を濃縮させ結晶化した砂糖を取り除き、残った糖蜜(モラセス)を使用する製法。
世界で作られるラムのほとんどがこの製法です。
アグリコール法
サトウキビの絞り汁を水で薄め、そのまま発酵させる製法。
ハイセストモラレス法
サトウキビの絞り汁を加熱濃縮し、糖度が増しシロップ状になった物を使用する製法。
トラディショナルとアグリコールの中間的存在。
地域による名称と味わいの違い
ラムはの発祥地は、カリブ海の島々と言われています。
その後様々な地域に知られていき、中南米の国々、東南アジア、オセアニア、アフリカ東部の島々へと伝わってゆきました。
そんなラムですが、産地により主に3つに分けられます。
主に、
- イギリス系ラム RUM
- フランス系ラム RHUM
- スペイン系ラム RON
に分かれます。
イギリス系ラム RUM
スコッチウイスキーの製法がベースとなっている。
スコッチの様なオイリーさが特徴で、重厚感のある味わい。
ウイスキー飲みならこのタイプのラムがオススメです。
代表的な産地:ジャマイカ、ガイアナなど。
フランス系ラム RHUM
コニャックの製法をベースに作られている。
繊細で香味豊かでエレガントな味わいが特徴。
ブランデーの様な品のあるボトルデザインが多め。
アグリコールラムが多い。
主な生産地:マルティニーク島、グアドループ島、マリーガラント島など。
スペイン系ラム RON
大陸で作られる物と、島々で作られる物で製法や味わいが異なります。
大陸系
しっかりとした甘みが特徴。
シェリーと同じ熟成方法ソレラシステムで熟成させる。
代表的な産地:グアテマラ、ベネズエラなど。
島系
大陸系の物と違い、軽やかな味わいが特徴的。
代表的な産地:キューバ、ドミニカ共和国など。
その他ラムの楽しみ方!
ブランデー
ブランデーは大きく言うと、”フルーツを発酵させ蒸留したお酒”の事を差します。
ブランデーは大きく言うと、”フルーツを発酵させ蒸留したお酒”の事を差します。
ですが、単に”ブランデー”という時はブドウを原料とした”グレープ・ブランデー”の事を指します。
ブランデーの種類
ブランデーの中でもコニャック地方とアルマニャック地方のブランデーが特に有名で、”コニャック”、”アルマニャック”という名称を名乗る場合フランスが定める原産地呼称統制法(AC法)で厳しく定められています。
<コニャック>
コニャック地方のブランデーの事です。
コニャックを名乗る為には、A.C.法に則って生産する必要があります。
コニャックの製法
産地
Charente(シャラント県)のCognac(コニャック)市を中心とした周辺の県で作られています。
品種
ブランデーに使用されるブドウ品種のほとんどが”ユニ・ブラン Ugni Blanc”です。
その他の品種:フォル・ブランシュ、コロンバールなど
生産方法
シャラント式アランビック蒸留器で2回蒸留し、72.4度以内で蒸留する義務があります。
熟成に使用する樽は350リットルのフレンチオークを使用し、フランス内のリムーザン産、トロンセ産、アリエ産の物で熟成させる必要があります。
土壌の地域区分
コニャック地方にも様々な土壌が存在し、その土壌によって品質が異なります。
その土壌は品質順に以下の6つに分けられます。
- グランド・シャンパーニュ
- プティ・シャンパーニュ
- ボルドリ
- ファン・ボア
- ボン・ボア
- ボア・ゾルディネール
中心部のグランド・シャンパーニュは石灰岩土壌でコニャックに最も適した土壌と言われており、最高品質のコニャックが生まれます。
中心から離れていくごとに、石灰岩の割合が減ってきます。だんだんスッキリとしたコニャックが作られます。
50%以上グランド・シャンパーニュで残りがプティ・シャンパーニュの物のみをブレンドしたコニャックを”Fine Champagneフィーヌ・シャンパーニュ”と呼ばれ、高品質な証としてAOCで規定されています。
コニャックの熟成の表記(コントCompte)
コニャックは伝統的に複数年のコニャックをアッサンブラージュ(調合)して作ります。
そのアッサンブラージュして物で一番若い物の熟成年数を表示します。
その熟成年数の表記に、使用される単位をコント(Compte)と言います。
コントは、蒸留したてはコント00、最初に4月1日を過ぎるとコント0に、その後4月1日を過ぎるたびに1ずつ増えていきます。
コニャックはコント2以上でないと販売する事が出来ません。
なのでコニャックは最低でも2年以上熟成させる必要があるのです。
コントの単位に対してのラベルへの表記は以下の通りです。
コント2:スリースター、V.S、
コント4:V.S.O.P、Reserve
コント6:Napoleon、
コント10:X.O、Hors d’Age
<アルマニャック>
アルマニャック地方のブランデーの事。
アルマニャックの製法
主要品種
ユニ・ブランやバコ・ブラン、フォル・ブランシュなどが使用されます。
製造方法
発酵に関しては、コニャックと殆ど同じです。
蒸留は、アルマニャック式アランビック蒸留器という伝統的な連続式蒸溜器で一回蒸留というのが義務化されています。
また、近年ではシャラント式アランビック蒸留器で2回蒸留する事も認められて少数の生産者が増えてきています。
熟成は、ガスコーニュ産の400リットルのフレンチオークで一年以上熟成させます。
近年では、リムーザン産のオークが使用される事が多くなっています。
土壌の地域区分
生産区分は左図のように3つに分けられていますが、これはほぼ土壌によるものです。
それぞれ高品質順に、
- バ・ザルマニャック
- アルマニャック・テレナーズ
- オー・タルマニャック
となっています。
最高品質のバ・ザルマニャックは砂質土壌です。この土壌では繊細でフルーティーなアルマニャックが作られます。
アルマニャック・テレナーズは粘土石灰土壌です。力強い味わいのアルマニャックが造られます。
オー・タルマニャックは、石灰質土壌です。優しさとふくよかさが特徴ですが、近年の生産はかなり少なくなってきています。
アルマニャックの熟成の表記(Compte コント)
アルマニャックでもコニャックと同じように熟成単位をコントで表します。
ですが、コニャックと違い表記とコントに若干の違いがるので注意が必要です。
以下の通りです。
コント1:スリースター
コント2:V.S
コント4:V.S.O.P
コント10:X.O、Hor d’Age
ヴィンテージ・アルマニャック
ヴィンテージアルマニャックと言う物があります。
アルマニャック独特の物で、その年に収穫されたブドウのみで作られ、その収穫年を表示する事が出来ます。
収穫年を表示する為には、最低でも10年以上熟成させる必要があります。
<カルバドス>
カルヴァドスはリンゴを発酵させたアップルワイン”シードル”を蒸留したアップルブランデーの事です。
産地
カルヴァドス地方のカルヴァドス県を中心とした周辺の県
品種
使用されるリンゴは2種類の分類をされます。
カルヴァドスでは230種類のリンゴと121種類の梨が使用されます。
フェノリック Phenolique
フェノール分の豊富な味わい深い品種
アシデュレ Acidulee
酸味の豊富なすっきりした品種
生産方法
リンゴの醸造酒と梨の醸造酒(30%以内で混合可能)を伝統的なシャラント式アランビック蒸留器で2回蒸留します。
連続式蒸溜機を使用する事も近年では可能です。
生産区分 A.O.C
カルバドスはフランスの原産地呼称法AOCによって3つのカテゴリに分けられています。
- カルヴァドス・ペイ・ドージュ
- カルヴァドス
- カルヴァドス・ドン・フロンテ
カルヴァドス
カルヴァドスは3つの中で一番広範囲のAOCです。
バランスの取れた飲みやすい味わいが特徴です。
最低でも2年以上熟成させる必要があります。
カルヴァドス・ペイドージュ
カルヴァドス・ペイドージュは、3つの中で最も厳しい規定のあるAOCです。
複雑で奥深いアロマが特徴で、若い物から熟成がしっかり進んだ物まで多岐にわたります。
最低でも2年以上熟成させる必要があります。
カルヴァドス・ドンフロンテ
カルヴァドス・ドンフロンテは上記の二つより洋ナシの割合を多くした物です。
洋ナシ独特のアロマを感じ、全体的にまろやかな味わいとなります。
最低でも3年以上熟成させる必要があります。
ビール
お次にビールについて解説します。
ビールは大麦を主原料とした醸造酒です。
原料について
日本の酒税法では、ビールは以下の4つの原料で作られる事が定められています。
- モルト(大麦麦芽)
- ホップ
- 酵母
- 水
モルト(大麦麦芽)
ビールにおいて最も重要と言えるのがこの大麦麦芽です。
大麦では無く、発芽させた”大麦麦芽”と言う事が重要です。
その理由にアルコール発酵が関係します。
アルコール発酵には糖分を必要とします。
なので大麦の持つデンプンを糖分に分解する必要があります。
その分解の働きを担うのが”酵素”です。
大麦は発芽する事によって酵素が生成され、なんと自らデンプンを糖分にを分解するのです!
その酵素が働きやすい状態が、少し発芽させた大麦”大麦麦芽”なのです。
ホップ
ホップはアサ科のつる性多年草です。
ビールの味わいや香味にとても重要な役割をしています。
ホップの役割は主に3つ。
- ビールの殺菌作用
- ビールの清涼作用
- ビールの香りづけ
- ビールへの苦味添加
ホップにも様々な種類があり、その種類によって味わいや香りがまるで違うのです!
酵母
酵母はビールのアルコール発酵に欠かせない存在です。
麦芽を糖化させた麦汁の糖分をアルコールと二酸化炭素に分解する役割があります。
酵母の種類によってもアルコール発酵時に出す香味や味わいが違います。
ビールの製造工程
ビールの製造工程は以下の通りです。
- 製麦
- 糖化
- 発酵
- 熟成
- ろ過
- 瓶詰め
順番に見ていきましょう!
製麦
製麦は二条大麦を発芽させ、焙煎する工程。
大麦を浸麦槽に入れ水分を含ませ、発芽させます。
発芽させることによって大麦が持つ酵素を働かせる必要がある為です。
その後、発芽させた大麦麦芽を焙煎乾燥させます。
この焙煎工程の強弱で、香ばしさや色合いが大きく変化します。
糖化
次に、製麦を終えた大麦麦芽はデンプンを糖分に変える工程の糖化です。
大麦麦芽、副材料、温水を混ぜ合わせ長期間待つと、甘い糖化液が出来上がります。
これは発芽させた大麦麦芽は酵素の影響で、自らのデンプンを酵素が糖分に分解する為です。
ろ過
デンプンが十分アルコール発酵に必要な糖分に分解されたら、ろ過をします。
煮沸
ホップを入れる工程です。
糖化液にホップを入れ煮沸させます。
前述の通り、ホップには苦味と清澄作用があります。
煮沸の強弱によりホップの苦味がより糖液に移り、苦味数値に比例します。
参考:苦味数値について
発酵
発酵は糖分を分解してアルコールと二酸化炭素に分ける工程です。
アルコール分解の化学式は以下の通り。
C₆H₁₂O₆ グルコース → 2C₂H₅OH エタノール + 2CO₂
一週間ほどで、糖分はほぼ完全に分解されます。
これで出来上がった物を”若ビール”と呼びます。
このままでは、我々がいつも飲んでいるビールとはまだ言えません。
熟成
発酵によって出来上がった”若ビール”は熟成(後発酵)をさせる必要があります。
理由は主に2つです。
熟成させる事によって風味を落ち着かせる事と、炭酸ガスをビールに溶解させる事です。
熟成期間は、下面発酵で約1か月、上面発酵で2週間程です。
ウイスキーなどと違い、熟成期間が長ければよいという事では無く、適度な熟成がビールにとってはよいとされています。
ろ過
ろ過は、貯酒を終えたビールから酵母などの固形物を取り除き、澄んだ色合いのビールにするために行われます。
役目を終えた酵母を死滅させ取り除く手段として、加熱殺菌も行われることもありますが、現在はろ過技術が進み、加熱殺菌せずにろ過だけで済むようになっています。
ちなみに、加熱殺菌をしないビールを「生ビール」と呼び、現在はこの生ビールが主流となっています。
瓶詰め
最後に瓶や缶や樽などにパッケージングされ工場から出荷されるのです。
近年では、缶でも瓶でも味わいが変わらず飲み手に届くようになっています。
ビールのタイプ分け
下面発酵と上面発酵について
ビールは発酵過程の違いにより、主に”エールタイプ”か”ラガータイプ”に分けられます。
エールについて
エールタイプは上面発酵という製法によって製造されるタイプ。
常温で短期間発酵させます。発酵上面に酵母が浮遊するので上面発酵と呼ばれます。
ラガータイプと比較して、旨味や香り高いビールが作られる事が特徴です。
ラガーについて
ラガータイプは下面発酵という製法によって製造されるタイプです。
低温でしっかりと時間をかけて発酵させます。
酵母が下面に沈む事で下面発酵と呼ばれます。
エールタイプと比較してスッキリとしキレの良い味わいが特徴です。
日本の大手メーカーのビールのほとんどがこの下面発酵で作られます。
代表的なビールスタイル
ピルスナー
日本の大手メーカーのビールのほとんどがこのピルスナースタイルです。
チェコのプルゼニ地方が発祥とされ、下面発酵のスッキリとした口当たりが特徴です。
淡色な色合いでアルコール度数は4%~5%程度。
エール
上面発酵を代表するのがこのエールスタイル。
ペールモルトを使用したペールエールや、ホップを通常の何倍も使用したIPA(インディアペールエール)などが存在します。
下面発酵のビールと比べて、香り高い事が特徴で、特にIPAのフルーティーでガツンと来る苦味は、ビール飲みをうならせる味わいです。
ヴァイツェン
ヴァイツェンはドイツ発祥のスタイルで、原料に小麦麦芽を50%以上使用し上面発酵させたビール。
まろやかでフルーティーな口当たりで、ビールが苦手な方でもごくごく飲める事で人気のスタイルです。
スタウト
スタウトは原料に使用される大麦麦芽を黒くなるまでローストしたものを使用した上面発酵のビール。
香ばしいロースト香が人気のスタイルです。
日本におけるビールの分類では「濃色の麦芽を原料の一部に用い、色が濃く、香味の特に強いビール」のことで「ビールの表示に関する公正競争規約・第4条」によって定義されています。
アルト
アルトはドイツ発祥の上面発酵のスタイル。
他の上面発酵の物に比べてモルティな味わいが特徴的。
ボック
ボックはドイツ発祥の下面発酵のスタイル。
通常の下面発酵のビールに比べて、アルコール度数が高いので、飲みごたえのある味わいが特徴的です。
クラフトビールについて
後述致します。